乾燥肌の症状
肌が乾燥しているとき、肌にはさまざまなサインがあらわれます。
最初は、なんとなく違和感や、肌表面のかさつきを感じるかもしれません。
さらに肌の乾燥がすすむと、つっぱり感、かゆみ、ひび割れ、あかぎれ、目立ってわかるほどのスケーリング(複数の角質細胞が、かたまりとなって肌表面から剥がれるトラブル) などの症状があらわれます。
このような極度の乾燥肌 (乾皮症(かんぴしょう)) は、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患の前ぶれです。
その後、ダーツ (ザラザラとした粗い斑点) や赤みなどの症状があらわれます。
乾燥肌の原因
肌の表面は、保護膜でおおわれています。この保護膜は汗や皮脂、バクテリアによって構成されています。
この膜が、物理的な刺激や温度変化などのダメージから皮膚を守っています。
肌の乾燥は、保護膜を構成する皮脂の分泌量の低下と深く関係しています。
皮脂が過剰に分泌されるオイリー肌と違い、乾燥肌は皮脂の分泌量が極度に少なくなっている状態です。
皮脂分泌量の低下により、保護膜のバランスも崩れます。
その結果、外部からのあらゆる攻撃にさらされ、さまざまな肌トラブルがあらわれるのです。
極度の乾燥による慢性的な肌トラブルの多くは、遺伝的要因が関係しています。
また、皮膚疾患 (アトピー性湿疹、乾癬(かんせん)など)、他に薬物治療などが原因の場合もあります。
ただ、短期間に急激に肌が乾燥するのは、天候 (寒さ、空気の乾燥、風など) の影響も大きいでしょう。
乾燥肌と水分不足の違い
乾燥肌と水分不足は似て異なる現象です。
乾燥肌のバリア機能が正常に働かない状態に対し、水分不足は一時的な状態で、表皮の水分貯蔵量の低下に関係します。 オイリー肌の方でも、水分不足の症状に悩まされることがあります。
この場合、乾燥肌用のスキンケア製品は、栄養価が高すぎるのでおすすめできません。
必要なのは、水分のみだからです。
皮脂分泌量が低下している状態の乾燥肌は、たびたび水分不足状態を引き起こします。
皮脂は、顔や身体の表面に水分を維持する働きがあるからです。
乾燥肌は、水分(水) だけでなく栄養 (油分) も必要なのです。
乾燥肌の顔のお手入れ方法
肌は常に外部からの攻撃にさらされています。毎日のスキンケア習慣を見直して快適なお肌を取り戻しましょう。
乾燥肌の洗顔・クレンジング
水で洗い流さなくても使用できる、肌の脂質膜を守る効果の高い植物性オイルが配合されたクレンジングミルクでの洗顔がおすすめです。
水は肌の乾燥を促します。クレンジングミルクで肌を洗浄したあとは、こすらず、やさしく汚れを拭き取りましょう。
洗顔後のお手入れ方法
洗顔後は、コットンで保湿化粧水を使い、十分な水分を肌に与えます。
コットンを使う際は、肌を傷めないように、摩擦には気をつけてください。
化粧水のあとの、保湿も大切です。
肌に親和性の高い成分が配合され、栄養と保湿効果に優れたクリームを選び、しっかりと保湿をしてください。
特に乾燥肌には、植物性オイル、バター、ワックスが適しています。
シアバター、アルガンオイル、小麦胚芽油、アボカドバター、マンゴバターなどが配合されたものがよいでしょう。
また、有効成分としておすすめなのがアロエベラです。
アロエベラ:ビタミン、ミネラル、アミノ酸、脂肪酸などの栄養素が豊富に含まれています。
植物の葉から採取される有効成分は、乾燥肌に効果を発揮します。
適切な成分を取り入れたスキンケア習慣で皮膚の保護膜を強化することが、肌の健康につながるのです。
身体の乾燥肌をケアする
何度もシャワーを浴びたり、皮脂を落とす効果の高い洗浄剤を使ったりすると、身体の中でも特に、ひじ、ひざ、足、手などが乾燥しやすくなります。
できれば、保湿効果の高いシャワージェルを使い、シャワー (水) を長時間浴びることは避けましょう。
また、熱い温度の湯船への入浴もおすすめしません。
入浴後の身体の保湿も必須です。栄養効果の高い成分の配合された、保湿効果の高いボディローションを、乾燥した部分に塗ることも忘れないでください。
特に乾燥の気になる部分には、先にアロエベラジェルなどを少量塗ることで、肌に必要な水分も与えることができるので、より効果的です。
顔と身体の毎日のスキンケア習慣で、水分と適切な栄養 (油分) をしっかりと補い、乾燥の気にならない快適な素肌を手に入れましょう。